加熱式たばこでは禁煙できない!

久しぶりに喫煙に関する話題です。

加熱式たばこ専用エリア

喫煙と一言で言っても、従来の紙巻きたばこを吸うだけではありません。最近はやり?の加熱式たばこも含まれます。

紙巻きたばこはNGだが、加熱式たばこはOKのスペースを見かけます。加熱式たばこは比較的安全ということなのでしょうか?

今回も生成AIに聞いてみた

前回に引き続き、生成AIに質問してみました。

2025年1月17日にMicrosoft Copilotで質問。今回はあえて質問文ではなく、二つのキーワードを提示するのみにしてみました。

提示したキーワード

加熱式たばこ・禁煙

回答

加熱式たばこの禁煙に関する情報をお探しでしょうか。加熱式たばこ(たとえばIQOSやgloなど)は、紙巻きたばこよりも有害物質の排出が少ないとされていますが、完全に無害ではありません。また、ニコチン依存の問題も同様です。
禁煙を考えているのであれば、加熱式たばこを含むすべての形態のたばこをやめることが健康には最善です。
禁煙を成功させるためのサポートやリソースはたくさんありますよ。禁煙外来、禁煙サポートアプリ、あるいは禁煙をサポートするサプリメントなどが役立つかもしれません。
何か特定の情報が知りたいことがありますか?禁煙を進めるためのアドバイスや情報が必要でしたら、お手伝いいたします。

ポイントは三つ。

  1. 紙巻きたばこに比べて有害物質は少ないが、含まれている。(量は不確定)
  2. ニコチン依存の問題はある。(これが一番重要)
  3. 禁煙方法は従来と変わりはない。(加熱式たばこは禁煙の補助にはならない)

あっさりと結論が出ているようです。

加熱式たばことは?

加熱式たばことは?

たばこの葉に直接火をつけるのではなく、たばこの葉もしくはたばこの成分を含む液体を加熱しエアロゾルを発生させ、それを吸うたばこ。

またJTホームページでは

たばこ葉を使用し、たばこ葉を燃焼させず、加熱により、発生する蒸気(たばこベイパー)を楽しむ製品です。

エアロゾルはちょっと難しい概念です。
加熱式たばことは

たばこ葉などを加熱し、発生したニコチンなどの有害物質を含む蒸気を吸う製品

簡潔に言うとこんな感じ!

ただたばこ葉を燃やすわけではないので、煙がでない。においも少ない。一見周囲に影響を与えないように、錯覚してしまう。

  • 「アイコス」「リル ハイブリッド」 (フィリップモリス・ジャパン PM)
  • 「グロー」 (ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン BAT)
  • 「プルーム」「ウィズ」 (JT)

検索してみたら、上記の5製品が。3製品だと思っていましたが、いつの間にか増えていました。

加熱式たばこ主要製品
価格コム20250211アクセス

加熱式たばこの害は本当に少ないのか?

加熱式たばこのイメージとは?
従来の紙巻きたばこに比べて、害が少なそう!

この一言に尽きるのでは。害というのは吸う人自身へのもの(能動喫煙)でもあり、周囲の人に対して(受動喫煙)でもあります。

アイコスパンフレット
Friends of WHO Japan 2022Spring 図1.アイコス、プルーム・テック、グローのパンフレットにおける有害物質の低減より 新型タバコの本当のリスク 田淵 貴大

このイメージ定着は、上のようなパンフレットなどによる、刷り込みが大きいのだろうと。

かなり以前のパンフレットなので、現在はどのようなプロモーションが行われているのか気になり、アイコス(IQOS )公式サイトを閲覧。しかしながら健康影響に関しての情報は、会員登録をしてログイン後に見ることができるシステムでした。

会員登録を試みましたが、「喫煙者であること」の文言が。

アイコスログイン画面

偽るのはよくないと考え、断念。

有害物質の低減がうたわれている、と推測しています。

では本当に加熱式たばこは紙巻きたばこに比べて、有害物質が少なく、健康への悪影響が少なくなっているのでしょうか?

加熱式たばこは日本において2014年から販売され、すでに10年が経過。加熱式たばこに関するエビデンスも蓄積されてきています。

2024年11月16日に国立がん研究センターで行われた、第6回禁煙推進学術ネットワーク学術会議での、国立保健医療科学院稲葉洋平先生の講演内容を紹介します。講演タイトルは「加熱式たばこそのものの有害性(成分分析と曝露評価)」。この講演は能動喫煙(喫煙者本人)の有害性がテーマです。

要旨をまとめると次の三点がポイント。

  • たばこ産業が加熱式たばこと比較しているのは、現在市販されている紙巻きタバコではなく、標準紙巻きたばこ3R4Fと比較している。
  • 加熱式たばこは有害物質90%削減といっているが、依存性のあるニコチンは削減されていない。
  • その他の有害物質削減量は、90%~0%まで様々。

そもそも比較対照が、現在販売されている紙巻きタバコではないこと。

喫煙に対して依存性を発揮する(きも)である、ニコチンは削減されていない。

ただ一酸化炭素(CO)はたばこ葉を燃焼させるわけではないので、確かに90%以上削減さされています。

その他の有害物質に関しても、ある程度少なくなっている物質もあれば、ほとんど変化がない物質までさまざま。

少なくとも有害物質約90%低減にはほど遠い。

一方受動喫煙に関してはどうでしょう。

同日の「加熱式たばこによる受動喫煙」熊本大学大森久光先生の講演では。

喫煙者(加熱式たばこ)の家族の尿中総ニコチン代謝物が、家族が非喫煙者と比較して増加していると。煙がなく、においが比較的少ない加熱式たばこにおいても、間違いなく受動喫煙が発生している

紙巻きたばこを室内で吸っていなかったのに、加熱式たばこを室内で吸うようになれば、以前より家族の受動喫煙は増えることになります。

加熱式たばこ受動喫煙

周囲への配慮で加熱式たばこに代えたことにより、周囲への悪影響がむしろ増える事例があるのも現実。

禁煙をお考えの方へ

加熱式たばこは紙巻きタバコに比べて、健康への悪影響が少ないというエビデンスはありません。

喫煙をニコチン依存と捉えた場合、加熱式たばこに代えることによって、禁煙に近づくこともありません。むしろ禁煙から遠ざかる可能性すらあります。

たばこの有害性を危惧して、禁煙に心が揺れている人たちを、しっかりと喫煙者としてつなぎとめるための優れたアイテム。それが加熱式たばこなのだと、考えるに至りました。

100%喫煙者がいなくなることは、考えられない。
でも受動喫煙は100%なくすべき。
そして禁煙したい方には、禁煙を成功させてほしい。

それには加熱式たばこにかかわる誤った認識は払拭すべき。

アイコス(IQOS )公式サイト以下のような注意喚起があります。(会員登録せずに閲覧できます。)

アイコス注意事項
20250211アクセス
  • 加熱式たばこには習慣性のあるニコチンが含まれていることが明記されています。
  • 加熱式たばこにリスクがあることが明記されています。
  • たばこ製品(加熱式たばこを含めて)を使用しないことが、最善であると明記さています。

たばこはニコチンの依存性により、吸い続けることをどうしても選択しやすい。それは歴史が物語っています。喫煙が罰則から課税に移行してきたのは必然。

その中で禁煙を、成功される方がいるのも事実。ご自身が喫煙を続ける意味をぜひ考えていただきたいと思います。

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禁煙に心が揺れている方、ぜひご一読を。

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