マンガでわかる 発達障害の子どもたち 自閉スペクトラムの不可解な行動には理由がある
身の回りのちょっと変わった子(発達障害の子どもたち)の不可解な行動を、ユニークなキャラクターと捉えられようになるかも。(その子どもたちは、いずれ大人になります。)
著者は精神科医の本田秀夫先生です。約10年前に本田先生の講演を聞き、「自閉症スペクトラム」という言葉に、はじめて触れました。
すぐに 自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体 (SB新書) を購入。
それまでほとんど意識すらしていなかった発達障害という分野に、目を開かされた思いがしました。
自閉(症)スペクトラムのスペクトラム(=連続体)とは
意見・現象・症状などが、あいまいな境界をもちながら連続していること。 デジタル大辞泉(小学館)
普通の健常な人から、重度の自閉症の人までが連続して連なり、明確な境目が存在しないことが大きなポイント。つまり白黒がハッキリしていない。
一般的な社会生活にまったく馴染むことができない重度の自閉症から、ほとんど健常な人と区別がつかず、日常生活に十分適応している人までが、スペクトラム(連続体)のごとく、はっきりとした段階がなく連続している。(しつこいようですが、正常者とのハッキリとした境界もありません。)
このように正常な人とほとんど区別がつかないような人まで含めた自閉症スペクトラムは、10人に1人といわれています。
「10人に1人」って、一クラスに少なくとも2~3人はいる勘定ですね。
軽度の自閉症スペクトラムの場合は、発達障害ととらえるよりも、個性的な少数派ととらえた方が、丸く収まります。
家庭や学校などで周囲の大人が対応し損ねると、二次障害(うつ、不登校、引きこもりなど)につながる場合があり、問題を大きくしかねない。
本書では20の具体例をあげて解説しています。(ビジュアル的に工夫されており、分かりやすい。)
「10人に1人」です。
ご自身の回りにも、何人かいるかもしれません。
もしかしたらご自身が、そうかもしれない。
そして最後にもう一つの大事なポイント。薄いグレーは大人になるにしたがって、白になる訳ではない。大人になっても薄いグレーのまま。