2021-10-13 階段昇降が最高の運動?の続編。検索ワードがはまったのか、以外にもアクセス数が伸び、ページビュー数が昨年第2位の人気?ブログの第二弾です。
前回ブログを読み返してみると、「いくら何でも言いすぎだなという点」と「まさにその通りだという点」の両方がある。今回はこの辺りをまとめました。
最高の運動とは(タバタトレーニング)
前回ブログでは「世界一効率がいい最高の運動」という書籍をとりあげ、階段昇降は最高の運動の一つだという、持論を展開しました。
最高の運動と形容されているのは、HIIT(ヒット)と呼ばれるトレーニング方法。
High Intensity Interval Training
高強度(High Intensity)の負荷がかかる運動と休憩を短い間隔(Interval)で繰り返すトレーニング(Training)。一般的には高強度インターバルトレーニングと呼ばれています。
HIITは約100年前から、経験的に一部で実践されていたトレーニング方法のよう。
1990年代に立命館大学田畑泉教授の考案した(実際には入澤孝一教授の考案?後述)、アスリート向けのHIITメニュー「タバタトレーニング」が、世界的に主にアスリートに取り入れられるようになり、一気にメジャーに。
そして近年HIITは、アスリートのトレーニング法としてだけではなく、一般の人々の健康増進のためのトレーニング法として、支持を集めはじめているといったところでしょうか。
もちろん健康増進のための一般向けHIITは、アスリート向けHIITに比べると、運動強度は低めです。
以下の図は主観的運動強度の私のイメージ。(一般的な有酸素運動というのは、ウォーキングや軽いジョギングなどをさします。)
HIIT及びタバタトレーニングのコンセプトを簡潔にまとめると以下のようになります。
【20秒運動+10秒休息】を6~8セット繰り返す【合計で約4分間】(4分以上は継続が困難な程度の強度で)
「究極の有酸素性トレーニング」であり「究極の無酸素性トレーニング」でもある。(有酸素性トレーニング、無酸素性トレーニングに関しては後述。)
「世界一効率がいい最高の運動」及び1日4分 世界標準の科学的トレーニング 今日から始める「タバタトレーニング」より
眉唾っぽい事、この上ない表現。ただ忠実にトレーニング方法を実行すれば、効果は科学的に証明されているようです。
詳しくは
1日4分 世界標準の科学的トレーニング 今日から始める「タバタトレーニング」 (ブルーバックス) 新書
高強度インターバルトレーニングの有効性を科学的に解説。
いくら何でも言いすぎだなという点
前回ブログでは、以下の理由で「階段昇降はHIITです。」と書きました。
- 短時間でも高めの心拍数を維持する強めの運動強度
- 速筋線維に負荷かかかることを意識している(筋トレの要素がある)
- 駅や商業施設などの日常生活での階段昇降では、必ず平坦な通路が途中に入るので、インターバルトレーニングになる
階段昇降で厳密にHIITを再現するのは、現実的には無理がある。高めの心拍数で速筋線維に負荷がかかっていても、全体のトレーニングとしてのボリュームが不足していることが多い。
最高の効果が発揮されるのは、あくまでも【20秒運動+10秒休息】を6~8セット繰り返す【合計で約4分間】(4分で疲労困憊に至る強度がアスリート向け、疲労困憊に至らない程度の強度が一般向け)のトレーニング方法。
「階段昇降はHIITです。」とは、ちょっと乱暴すぎると反省しています。
思いっきりアバウトに言うと、「階段昇降はHIITです。」でしょうか?
スピードスケート指導者であった、入澤孝一現高崎健康福祉大学教授が1990年代に実践していた、二つのトレーニング方法。
- 【20秒運動+10秒休息】を6~8セット繰り返す
- 【30秒運動+2分休息】を3~4セット繰り返す
この二つのトレーニング方法を田畑泉教授が運動生理学の観点から分析し、確立したのがタバタトレーニングであり、昨今のHIITといわれるトレーニング方法の起源となるようです。
まさにその通りだという点
私自身が階段昇降を、思いっきりアバウトなHIIT?として実践しはじめて約2年が経ちます。
結局今年は一度も港区スポーツセンターには行きませんでした。(20年以上通っていたのに・・・)
思いっきりアバウトなHIIT?の効果と感じている点
- スポーツセンターに通っていないにもかかわらず、体が軽い。
- 以前に比べて、血圧が正常血圧値に安定している。
- 心肺機能も若干アップしている感触あり。
- 寒さを感じにくい。(ここ数年マフラーをすることがない。)
- 体重が3㎏減った。(約20年の増加分が、ここ1、2年で減少。)
コロナ前には港区スポーツセンターで、バーベルスクワットにはまっていました。20分間で8セットのバーベルスクワットを繰り返すのは、HIITの要素に当てはまる。
振り返ると、ここ3~4年はバーベルスクワットと階段昇降と、HIITの要素にあてはまる運動にいそしんできたことになります。(高心拍数、筋トレ要素、インターバルトレーニング)
この1年間の階段昇降数のデータです。(上がった階数ですが、下がった回数もほぼ同じ階数のはず。)
何もなければ、2F自宅と1F仕事場の往復なので、1日につき3~4階。にもかかわらず1日平均14階というのは、夜の歯科医師会関連の会議、休日の外出などで積極的に階段昇降をしているからでしょう。最高は1日52階(2022/08/28)。
忙しい日常で、短時間ですむHIITは何より!
その上階段昇降は、日常生活の中で完結できる。最高のタイパ(タイムパフォーマンス)!
もちろん無料ですから、コスパ最高!
→階段昇降は最高の運動!(実感しています。)
自分自身では
2020-8-13 日常生活が運動になる!をHIITに落とし込んだものが、階段昇降だと。
一般的には有酸素運動と無酸素運動、二つの種類の運動があると思われています。私もそう思っていました。
実はこの二つは、強度により割合が異なるが、同時に行われているようです。
例えば2分程度しか継続できないような運動も、60%程度は有酸素性のエネルギーが供給されているようです。
つまりどのよう運動も、有酸素運動の要素と無酸素運動の要素が含まれます。そこで田畑教授は、有酸素性運動(トレーニング)と無酸素性運動(トレーニング)と表記すべきと書かれていました。
短時間で終わるHIITは無酸素性トレーニングと考えられがちですが、有酸素性トレーニングの要素も多分に含まれます。
よってHIITは、「究極の有酸素性トレーニング」であり「究極の無酸素性トレーニング」でもあるのです。
健康増進と介護予防を考えて
健康寿命を延ばすには、可能な限り要介護状態にならないようにしなければなりません。
要介護となる原因は何でしょうか?
上の円グラフを眺めてみると、多くの原因が階段昇降で予防できるように思えます。
認知症予防に関する運動の効果は、大いにあると、あまりないという、双方の研究結果を目にしますが、私は効果があると信じています。
脳血管障害及び心疾患は、いわゆる生活習慣病ですから、当然運動は有効。
高齢による衰弱と骨折・転倒、関節疾患で約36%と全体の1/3以上を占める。様々な原因がありますから、一概には言えませんが、筋力アップで予防できる余地は大きいと考えられます。
身体運動・健康科学ベーシック 東京大学身体運動科学研究室(編集)
現在の東京大学教養学部で教科書として使用されています。
この書籍でも、高強度インターバルトレーニング(HIIT)は有用との記載があります。病院でのリハビリテーションなどへの応用可能とも。
この中の「健康増進のための持久力トレーニング」の項で、運動強度設定のポイントが挙げられています。
冒頭の主観的運動強度でいうと、「ややきつい」つまりスケール13は必要と。
ウォーキング主体の運動だと運動強度が不足しがちなため、速度を上げる速歩が推奨されています。
(参考 2020-4-5 歩くだけではダメ?)
健康増進のためのウォーキングでも、歩数がポイントではなく、運動強度がポイント。
階段昇降は少なくとも「ややきつい」以上の運動強度が確保できます。
階段昇降は中年期以降での健康増進、介護予防に関して言うと、最高の運動(の一つ)と言って間違いない。
ちょっと言い過ぎでしょうか?言い過ぎではないと確信しています。