東京フィフティ・アップBOOKを読んで

今回でこのブログもやっと50回目になりました。9月4日に当院からのお知らせで紹介した、「東京フィフティ・アップBOOK」を読んでの感想なり考えを書いてみました。歯とは直接関係ありませんが、健康寿命を延ばすという本ブログの趣旨からすると、節目にふさわしい話題と思いチョイスしました。

9月中旬に「東京フィフティ・アップBOOK」は東京都福祉保健局より80冊送られてきました。主に50、60歳代の方にお配りし、10月上旬にはすべて配り終えました。
以下からダウンロードもできますので、40歳代以降の方はご一読を。
東京50↑(フィフティ・アップ)BOOK専用webサイト

本書の構成(内容)

“自分らしいシニアライフ、50歳からデザインしませんか?”とwebサイトにはキャッチコピーが。「50歳代から将来の老後のことを考えて準備をしませんか?」ということですね。50、60歳代の方に読んでいただくことを前提に作られています。

Part1 これからライフどうしたい?

最初にチャートで、「社交派」そして「のんびり派」、「アクティブ派」、「独立独歩派」の4つのどのタイプか自分で診断していきます。そしてそれぞれのタイプ別に、「仕事」と「趣味」、「学び」、「社会貢献」の4つの項目に対する、方向性や問題点を紹介しています。導入部分ですので、まず自分自身を見つめ直すことからはじめます。

ちなみに私は「独立独歩派」でした。

Part2 夢を実現させるために50↑からできること

「仕事」、「趣味」、「学び」、「社会貢献」の4項目に対して、諸先輩方の声を含めた事例の紹介のパートです。そしてそれらの実例をふまえて、いくつかのアドバイスがあります。

一番のポイントは“昔と今のシニアプランは違ってきている⁉”というアドバイスです。1990年代あたりまでの老後と現在では、老後のあり方は明らかに違います。

Part3 未来のわたしたちはどうなる?

かつての老後のあり方と現在から未来の老後のあり方違いを、「少子高齢化」、「一人暮らし」、「認知症」、「健康寿命」、「仕事年齢」の5つのキーワードで説明しています。最重要なキーワードは「健康寿命」だと思います。

Part4 健康長寿のために

「仕事」、「趣味」、「学び」、「社会貢献」で自分らしい生活を実現するには健康であることが前提です。長寿ではなく、健康長寿でなければなりません。つまり健康寿命を可能な限り長く保つ必要があります。最重要なキーワードについて、一つのパートを確保して説明しています。

Part5 安心&元気に暮らしたい ~ エピローグ

いくら老後の準備をしていても、年を重ねれば困りごともさまざま出てきます。それらの困りごとに対するサポートのパートです。

ここ最近ひんぱんに自助、共助、公助というワードを耳にするようになりました。「東京フィフティ・アップBOOK」は自助をさりげなく促す冊子です。ただ公助もおろそかにしてもらっては困ります。このパートは公助の部分を紹介しています。
(もちろんこの冊子自体が公助の一環ですが。)

背景1 人生100年時代

「東京フィフティ・アップBOOK」の発刊の背景を簡単にピックアップしました。一つ目は人生100年時代です。

2017-1-1 健康寿命って?
で紹介をしたしましたLIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略です。(「東京フィフティ・アップBOOK」でも紹介されています。)

この本によると「2007年にアメリカやカナダ、イタリア、フランスで生まれた子どもの50%は、少なくとも104歳まで生きる見通しだ。 日本の子どもにいたっては、なんと107歳まで生きる確率が50%ある。」 とあります。

現在の日本人の平均寿命は男女ともに80歳代です。これが約90年後には100歳程度まで延びるという予測です。

平均寿命が70歳代であった時代の60~65歳定年、以降は年金生活という人生設計も見直す必要性はすでに現実化しています。

背景2 2025年問題

もう一つの大きな背景は2025年問題です。

1947年から1949年生まれの「団塊の世代」が75歳以上になっている2025年ごろに起こると予測されるさまざまな問題を2025年問題といいます。 「団塊の世代」は約800万人にのぼるとされており、現在の後期高齢者1,500万人と合わせると2,200万人を超えると予想されます。

2025年には65歳以上の高齢者人口は30%を超え、その半数以上が75歳以上の後期高齢者となります。
現時点でも問題になっている、医療や介護の社会保障費増大にさらに拍車がかかるのは目に見えています。

健康寿命を延ばすしかない

平均寿命と健康寿命の差

これは、厚生労働省から発表された平成28年のデータによるものですが、不健康寿命つまり日常生活に支障がある期間は、男性で8.84年、女性で12.35年ということです。決して短い期間とは言いがたいです。

平均寿命=健康寿命+不健康寿命

日常生活に支障がない自立している期間つまり健康寿命を延ばし、不健康寿命の期間を可能な限り短くすることが理想です。

20207-2 支えられる人ではなく支える人になろう
では
「元気な高齢者」であれば70歳になっても、されに80歳を超えても経済面と健康面の両面で「支える人」となることが可能であり、実際にそのようは方も多数いらっしゃいます。
と書きました。

健康寿命が延びれば、社会保障費の増大になるべく負荷をかけないだけではなく、自分自身が自分らしい人生を最後まで送ることができるのではないでしょうか。

将来を想像し思い描くことが重要

自分の親世代(80歳代以上)は残念ながら、老いる準備をすることが出来なかった世代です。しかしながら今の50、60歳代は十分に準備をすることが出来るのではないかと思いっています。

それは自分の親世代の姿を目のあたりにしているからです。そして親世代よりもさらに長生きする可能性が高いのです。自分自身が90歳を過ぎる将来を想像していくことが大切です。そして準備をしていくことです。

平均寿命は今後も確実に延びていくでしょう。では健康寿命が確実に延びるのでしょうか?厚生労働省では平均寿命の延びを上回る、健康寿命の延びを目標としています。

私たちも平均寿命の延びを上回る健康寿命が延びを目指していけば、結果的に不健康寿命は短くなります。

具体的には
当院のブログページで紹介していますが、健康寿命を長く保つには以下の6つの要素を常に心に留めることです。

①栄養・食生活 ②身体活動・運動 ③休養 ④飲酒 ⑤喫煙 ⑥歯・口腔の健康   健康日本21(第2次)より

そして要介護状態の原因になる、生活習慣病の予防や筋力低下による関節疾患、高齢による衰弱の予防を心がけることになります。また「東京フィフティ・アップBOOK」で挙げられていた、「社会参加」も重要な要素になります。

些細な衰えに気づく、フレイル、オーラルフレイルという言葉もキーワードになります。自分自身で些細な衰えに早めに気づくことが出来れば、早めの対処ができ、元の健常に近い状態に復活することも可能です。

201910-19 オーラルフレイル 聞いたことありますか?
20202-27 40代から食べる力が衰える?(口腔機能低下症)
も参考にしてください。

2017年1月に初めて掲載したブログと同じ言葉で閉めさせていただきます。

健康寿命を長く保つことを、日常生活の中で常に意識していくべきです。

ライフシフトにあるように、自分の親世代では考えられなかった、100年にも及ぶ人生が、私たちにとっての厄災になるのではなく、私たちへの贈り物と思えるようになるにはどうすればよいかを真剣に考えていかなければなりません。

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